小指の剥離骨折を手術した話 その2
病院通いが終わったのが昨年の11月。それなりに長かった通院体験でした。
(以下の記事は2017/05/28に執筆したものを編集し再掲したものです。)
整形外科で骨折認定されて一週間後、腫れて太くなった小指をさすりながら大学病院へ向かいました。
やってきました大学病院!ここ最近祖母と祖父も厄介になった病院です。(糖尿病とかで)
そして案の定待ち時間が長い。病院って町医者もそうですけど順番が近づいたらスマホに連絡されるシステムとか導入してくれませんかね。神経が衰弱しきった頃、ようやく順がまわってきました。
以下そこで告知されたこと
骨折後すぐに受診していれば、保定具(ギプス代わりのもの)を装着して再生を待つだけだった。
今回は骨折後一ヶ月以上経過しているため、手術をして骨にピンを打ち込んで固定する必要がある。
剥離した骨片は周囲の組織と癒着しており、定位置に戻すには組織を除く必要がある。
手術をすると、骨は定位置に戻せるが、関節の可動域は本来よりかは狭まる。
手術をしない場合、指の変形が戻らないのはもちろんのこと、年を経てから後遺症として痛みが発現する可能性がある。
以上、初診の結果をもって、もちろん手術することにしました。入院費用は約10万です。弟のほうが骨折していれば保険が適用されたんですがね()。
何にせよ痛みが引かないようであれば、早めに病院に受診しろってことですね。
その日はレントゲンとCTスキャンをして帰宅でした。
<つづく>
OpenStreetMapマッピングパーティに参加してきた 後編
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<つづき>
11時になり、15人程度のメンバーが集まりました。メンバーは、主催であるCode for Hachiojiの方々、今回地図を編集するための場所を提供してくれる東京工科大学竹田研究室の方々、行政関係の方々、あと私を含め趣味の人などで構成されていました。そこで、簡単な挨拶と自己紹介を済ませたあと、サーベイ(Survey、現地調査)の具体的手順について解説されました。
サーベイとは
サーベイで調査する地物とは、OpenStreetMapにおいて大まかに3つの要素からなります。点を定義する「node」、線を定義する「way」、面を定義する「relation」です。nodeは、その内部に人間の活動範囲が存在しないような小さな地物、例えばベンチ、井戸、自動販売機などがそれに当たります。wayは、特に意味を持たないnodeを線で結ぶことによって、川や道路、境界線などを示します。relationは、特に意味を持たないnodeを結ぶ線によって囲まれた範囲で、多くの建造物などを示します。
地物には、多くのキーを定義することができます。共通のキーとして名前、車椅子での利用可否等があり、その他のキー、例えば池、駐車場、トイレ、階段…等でより具体的な地物の属性を表します。
サーベイでは、既存のOpenStreetMapの地図をA3用紙に印刷したものをバインダーに挟み、地形上に存在するあらゆる地物を赤ペンで記入します。その場ですべての情報を書き取るのは無理があるので、地物の写真を撮っておきます。こうすることで、例えば
自動販売機の位置を地図に記し、写真によって紙幣の利用の可不可などを確認することができます。
GPSでログを取ることによってより正確に位置を知ることができますが、今回は山中のせいか余り正確なデータが得られませんでした。
サーベイ開始
ケーブルカーの高尾山駅から薬王院まで少し歩きます。
ぞろぞろ
さて高尾山薬王院に到着し、いよいよマッピングを開始します。階段の段数など細かいことは経験者に任せて、ひたすら地物をメモっては写真を撮るの繰り返し、計50枚ほどの写真を撮りました。(薬王院そのものの写真は撮り忘れました)
自動販売機は施設(Amenity)だから、キーは「amenity = vending_machine」。
掲揚柱(旗を掲げるために作られた長い柱)は建造物(Man Made)だから「man_made = flagpole」。
消火栓は緊急設備(emergency)だから「emergency = fire_hydrant」。
とまあこんな感じで約1時間半。ケーブルカーを使わず1号路を登ってきたことも堪えて、いい加減疲れてきたところで撤収。下りはリフトに乗りました。天気がいいので眺めもいいですね。
そして東京工科大学へ
前編で紹介したこの写真の中央の建物
そうこれが東京工科大学八王子キャンパス片柳研究所、今日の2番目の目的地です。
京王高尾山口駅から高尾駅で乗り換え、JR中央線で八王子駅へ向かいます。コンビニで適当に昼食を買い漁ったあと、スクールバスでキャンパスへ。
確か11階(うろ覚え)の竹田研究室でノートPCを起動します。そして正面のホワイトボードでは今回の講師である山下康成氏によってOpenStreetMapとマッピングの解説が行われました。内容は前編の内容と大体同じです。
それでは早速サーベイの内容を登録しましょう。OpenStreetMapはブラウザ上でも編集できますが、今回は事前にインストールしてきたJOSMという専用の編集ソフトで編集します。
まず、既存の左上のダウンロードボタンを押してOpenStreetMapのデータをダウンロードします。
既存のOpenStreetMapのデータを編集する範囲だけダウンロードします。
するとこのように黒い背景で地図のデータが表示されます。画像タブで航空写真を追加することもできますが、とりあえず必要ないので表示しません。
左の「ノードを編集」を選択し、地図上をダブルクリックすることでノードが生成され、赤い点として表示されます。とりあえず先ほど撮影した消火栓を登録しようと思います。
「プリセット」タブから消火栓を検索、選択すると、右図のようなプロパティが表示されます。OpenStreetMapはイギリス発祥のWebサービスのため、先程撮った写真のような日本式の消火栓の種別がありません。残念ですがデフォルトの「柱」のままにしておきましょう。あとはアップロードするだけです。
ダウンロードボタン右横のアップロードボタンを押すと、上図のようなウィンドウが表示されます。他人が見てもひと目で分かるように概略コメントを記し、サーベイによって得た情報なのでソースには「survey」と記入します。
OpenStreetMapに未ログインの場合はログインし、数秒でアップロードは完了です。全世界のOpenStreetMapでこの情報を閲覧することが可能になります。
のような流れで一人数点の地物を登録したところで終了時刻の5時半になってしまったので、これで今回のマッピングパーティの行程はすべて終了です。いやーなかなか面白い体験ではありました。なんというか地図オタクの集団みたいな人たちでした。
総括
今回の全体を通して感じたことは、講師である山下康成氏が途中で何度もライバル視していたGoogle Mapsの存在です。日本ではゼンリンが測量したものですが、欧米ではGoogleが測量したものを利用しているため、申し訳ないながらもGoogleの偉大さを再実感することとなりました。私も普段はGoogle Mapsを利用しますし、送電線を調べようと思わなければOpenStreetMapのマッピングに参加することもなかったでしょう。営利組織が半自動化して地図を作成するのと、ボランティアが人海戦術で地図を作るのではやはり前者のほうが均一で良質なものができるでしょう。確かに、OpenStreetMapではマッパーが一般人独自の目線で情報を追加できるということが利点に挙がりますが、Google MapsもローカルガイドというGoogle Mapsのアプリを利用している人なら誰でも参加できる情報投稿システムがあります。
他にも、OpenStreetMapの航空写真はbing航空画像を利用しているのですが、全体的な精度はGoogleの方が上ですし、GoogleにはGoogle Earthという米国全土の3Dマップサービスもあります(日本では一部のみ3D化済み)。
正直、労力の割にはOpenStreetMapはGUIやシステムの点でGoogleに劣っていると考えますが、Googleが完璧かというとそうも思いません。WebGLの発達からもより良い地図サービスの誕生は可能だと考えます。そのためにはマッパーよりもシステムエンジニアがシステムの改良に気軽に参加できるよう新たな体制が必要だと思いました。
以上、今回のマッピングパーティを企画してくださったcode for Hachiojiの方々、講師の山下康成氏、場所を提供してくださった、東京工科大学竹田研究室の方々、初参加の私を快く受け入れてくれた参加者の皆様、素敵な体験をありがとうございました。
<おわり>
平昌五輪にスイスから自転車で乗りつけた選手の親
(※この記事は2018年2月19日に執筆したものを加筆、訂正したものです。)
昨日、平昌オリンピックでは小平奈緒選手がスピードスケートの500mで見事金メダルを獲得し、日本としては長野オリンピック以来のメダル10個獲得を達成することになりました。メディアでも羽生結弦選手の連覇に並んで大々的に取り上げられています。
しかし、個人的にそれより気になったことがあります。女子スピードスケートの前、スキーのフリースタイル競技の一つである「エアリアル」をぼんやりと観戦していたときのこと、解説員の「~自転車で競技会場に乗り付けたそうです~」という発言が耳に引っかかり、早速検索してみました。
エアリアルは、日本人選手では体操から転向した田原直哉選手のように、およそ10mもの落差を体操競技のように宙返りを行いながら飛ぶという冬のオリンピック種目の中でも特にワイルドなスポーツです。
解説員が話していたのはエアリアルの選手の一人、スイスのMischa Gasser選手の両親のことでした。父親であるGuido Huwilerさん(写真右)と継母であるRita Ruttimannさん(写真左)は、約一年かけてユーラシア大陸を17000km走破し、ついにオリンピック会場である平昌に到達しました。
でも北朝鮮は通過できないのでは?と思いHuwiler氏のブログを確認したところ、ちゃっかり飛行機を利用したようです。
この地図を見る限り、スイスから中央アジアまで自転車で移動、飛行機で東南アジアに飛んで、再び韓国に飛んでいます。また、今後は飛行機で日本に行く予定のようです。ロイターの記事によれば、最大の難所は、中央アジアの高さ4000メートル以上に達するパミール高原の高速道路を移動することだったそうな。 エアリアルの放送中、度々顔がアップされるこのヒゲヅラのおやじは誰だなどと失礼なことを考えていましたが、息子ともどもただ者ではありませんでした。
(※追記時点ですでに広島県には到達していました。)
OpenStreetMapマッピングパーティに参加してきた 前編
一月ほど前、きっかけはたしか送電線でした。Unityで簡単な3DCGのゲームを作ろうとして、町をモデリングしなければならないなー → 送電線作りたい → そういやOpenStreetMapには送電線の位置が表示されていたな → 公式サイトを開いたらマッピングパーティなる集いが開催されていることが判明 → ノリで参加申請 という流れでした。
そもそもOpenStreetMapとは
ここでOpenStreetMapが一体何のことかわからない人のために一応解説しておきます。有名なオンライン地図サービス(GISと言う)と言えば、Google者の提供する「Google Maps」、国土地理院の提供する「地理院地図」、Yahoo! Japanが提供する「Yahoo! 地図」などがあります。が、実は日本に限って言えば、Google MapsやYahoo! 地図、及びその他多くの地図サービスが地図制作会社大手のゼンリンが制作したのものを利用しているのです。そのため、著作権の問題で、地図をダウンロードしてオフラインで利用できない、地図を印刷して配布できない、二次著作物を作れない等の制限があります。なお地理院地図は測量法に従って国土地理院の制作したもので、同様の制約があります。欧米でのGoogle MapsはGoogleが測量したもので、オフラインでの利用はできますが、その他の制約はやはり同じものです。詳しい規約は公式サイトへ。
そこでこれらの制約を解消するため、地図をオープンデータ化したものが「OpenStreetMap」です。Google Mapsと同時期の2004年に開始され、Wikipediaと同様に、誰でも自由に利用・編集できる地図サービス、それがOpenStreetMapです。WikipediaはWkimedia財団が運営していますが、OpenStreetMapはOSM財団によって運営されています。
そして「マッピング」とは、現地調査(Surveyと言う)を行ってOpenStreetMap上の地物を追加、編集することを指します。上記でも示したように、その他の地図サービスは二次著作物の制作を禁じていますから、例えばGoogle MapsからデータをパクってくることはNGなわけです。
これは南武変電所。現段階で建物の情報量はGoogle Mapsの方が多いが、送電線はない。OpenStreetMapでは誰も登録していない地物は当然表示されない。
※Google Mapsの左下には©2018 Google, ZENRINとの表記がある。画像の場合これがないと規約違反。
※OpenStreetMapの右下には©OpenStreetMap contributorsとある。©OpenStreetMap 協力者でもよい。これがないとやはり規約違反。
当日へ
それで参加前日、OpenStreetMapの編集ソフトであるjosmの起動確認をしていたところ、アップデートがあったので慌ててアップデート。ついでにWindowsもアップデート。翌日の朝は早いのに24時過ぎまで何をやっているのやら。(PC持参だったのです)
で昨日、なんとか起床して京王線を一路西へ。マッピングは高尾山薬王院で行います。
久しぶりの高尾山口駅。たかお「やまぐち」ではない。
土曜日かつ快晴なんで人も多いです。ほとんど高齢者ですけど。
トイレの大便器をつまらせるなどのアクシデントもありましたが、コインロッカーにノートPCを放り込んで出発出発。
さ~早速ケーブルカーに
乗りません。年寄りですら歩いているのに高々2kmを480円で買うなんてこの私が許しませんよ。
あー途中の金毘羅台はいい眺めだなー(すでに息があがっている。登り坂をナメていた。)
ガスってて都心はよく見えないけれども。
左の方のビルは八王子駅横のオリンパスホール八王子です。この写真の中央少し右にある
この建物、あとで行きます。
間違って金毘羅台からもと来た道を戻ったりしましたが、予定時刻である11時に余裕で間に合う10時半にはケーブルカーの終点、高尾山駅にたどり着きました。
まだマッピングしていませんが、本日はここらへんで。
<つづく>
小指の剥離骨折を手術した話 その1
思い起こせばかれこれ1年前、右手の小指を骨折したことで、その後の生活に大幅に支障をきたしたのでした。今でも小指は完全に曲がりません。
(※以下の記事は2017/05/13に掲載したものの転載です。一部訂正があります。)
ことの始まりは3月、弟と争ったことが原因なのですが、その際に右手を強打し、数日間小指が腫れる事態が続いていました。しかし、家族は馬鹿だねというばかりで、放っておけば治るだろうと楽観して放置していました。
しかし、春休みが過ぎ4月になっても腫れは治まらず、関節がまっすぐに伸びない状態が続いていたため、強打後1ヶ月経ってようやく地元の整形外科へ行きました。
その時に初めて骨折の可能性を示唆され、とりあえずレントゲン撮るってみようということで撮ったのがこちら。
おお!?
おーおーおー見事に剥離しているではありませんか。
医者によると、強打して指が曲がった際。骨が腱に引っ張られて剥離したのだろうということ。実際よくあることだそうで、むしろ骨折と気づかずに経過して骨の位置が固定されてしまうことも多いそうです。
ネット上でも同様の症状は多数報告されていますね。
通常は、ギプスのかわりに小型の固定具を装着して骨がくっつくのを待つそうですが、何せ1ヶ月も放置していたため、うちでは対処できない、もっと大きな病院へ行け、ということを言われてしまいました。
なるほど、我々一般人は義務教育の段階で「医療」に関する授業を受けないのはもちろんのこと、「どういう場合に病院に行くべきか」ということすら学んでいません。高齢者の増加に伴い年々増加する医療費も、我々の医療「を受ける」知識の向上によって軽減できるのではないか、そして今回すぐ病院に行く判断をできなかったのは教育が悪いと心のなかで理不尽に毒づきました(笑)。いやそんなことないですけど。
結局その整形外科では大学病院への紹介状をもらい、症状に対する先行きの不安を抱えながら、雨の中帰路についたのでした。
<つづく>
このサイトについて
昨年、右手の小指を骨折して、その治療過程をちまちまと他のブログで綴っていたのですが、途中から更新がいい加減になってしまったので、その再掲とともに、プログラミングやアニメーションに関してぐだぐだと書いていきたいと思います。
主にUnity、OpenToonz、OpenStreetMap、UberEATSなんかに関して書こうかなと思っています。